アンコールをひっそりと

お芝居、ジャニーズ ちょっと偏った感想とか

舞台『青の祓魔師 京都紅蓮篇』8/13ソワレ

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2016年8月5日(金)~14日(日)
Zeppブルーシアター六本木
http://www.ao-ex.com/stage/

あらすじ
魔神(サタン)の血を引く少年・奥村燐は、祓魔師(エクソシスト)である弟・雪男の指導の下、祓魔塾で仲間たちと訓練に励んでいる。
ある時、正十字学園最深部に封印されていた「不浄王の左目」が奪われる。さらに京都出張所に封印されている「不浄王の右目」も何者かの襲撃を受け、燐たち祓魔塾生は霧隠シュラを隊長に増援部隊として京都に向かう。犯人の目的は、江戸時代に数万人を殺したという悪魔「不浄王」の復活だった――――!
かつてない危機に陥った京都を救うことができるのか!?
(初期フライヤーより)


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大まかの感想としては、
すごく良かった!!!
今までみた所謂2.5次元舞台のなかで一番良かった。
2.5次元も、日本の演劇界にこんだけ台頭してきてるんだから自分も受けいれなきゃいけないな、とは思っていたんだけど、いざ見るとやっぱり「これは違う」「わたしはこのジャンルに入っていけないんだ」と思うばかりだったんだけど、物が変わればちゃんと「芝居してる」作品だってあることに気づかせてくれた。私の世界が狭いだけだった。
私の中でいろんな世界が開けた作品でした。


以下内容含む。



観に行くことを決めてから、事前情報はアニメで頭にいれました。漫画がうまい具合に手に入らなかったので。
燐が魔神の力を自覚して、祓魔塾にはいって、切磋琢磨した同窓生に魔神の力がバレてしまうところまで。
つまり、この物語の前段階のお話まで。

前説的にこの流れが漫画の一部をスクリーン幕に映し出して振り替える演出も良かった。まだ客電もついたままだったけど、シンプルかつ分かりやすい。
燐が幕をぶったぎって登場!も2次元と3次元がうまくかけあわさってた。燐の頭の炎はここだけだったね。可愛い。

意外と長かった前説。ふよふよと浮遊したメフィスト・フェレスが物質界と虚無界のご説明までしてくださいます。
メフィストの尋問のシーンまでぶっ続けなんだけど、よく考えたらまぁ太陽頑張ったな!?(台本3ページあったって何かで言ってた)

セットは大きな可動式の階段が2つと、それを囲うぐらいの大きさの柵状のが4つか6つぐらい。
これが青~紺のグラデーションになっててきれいだった。きっと青の炎をイメージして作られてるんだなぁと。
可動式の階段は正直鬱陶しいかなーと思ったんだけど、奥村兄弟の隔たりとか、表現するものが沢山あって結果良いセットでした。

■初っ端で心を持ってかれたオープニング
アニメOP楽曲に合わせてキャストキャラクターの紹介。
これがやっぱりよくてねー!やっぱり西田さんはこういう演出がすごく綺麗で素敵。
勢いの良い殺陣と、それぞれのキャラクターのバックグラウンドを仄めかす技術。
最後で燐と雪男がばっちしキメる瞬間がもうかっこよくて、キメのシルエットがもうアニメから出てきたー!!ってくらい完璧だった。
あともう何より秋人くんの殺陣がすごい。拳銃の殺陣ってかっこよくできる人なかなかいないから、オープニングで秋人くんの殺陣観た瞬間にこれはすごいぞ、と確信したものがあったなぁ。

と、まぁ物語が始まる前の時点で、今まで観てきた2.5次元と違うぞ、と思ったわけでした。

■全体の構成について
前説があったおかげて私みたいな付け焼刃な知識でも全然ついていけたし、とても丁寧に進めてくれていたイメージ。
可動するセットと映像でビジュアルにも攻めてたし、ダンサーとアンサンブルをうまく使ってた。
個人的にはダンサーで表現する演出が好きだーと思ったらやっぱり松尾さん振付だったか!流石だなぁ。あれは好みが分かれるんだろうか。
強いて言うなら雪男の苦悩をもっと掘り下げてほしかったなぁという感じだけど原作もあんな感じなんでしょうか?雪男すごくなんか…まっすぐ過ぎない(T-T)?心配になる
でもそんな燐と雪男の揺るぎない関係性が良いなとも思う。この二人の関係は雪男の燐に対する執着というか、獅郎への執念というか、そういったところで成り立っているような気がする。

不死鳥カルラの表現方法はもうちょっとシンプルでよかったんでは…実体にしちゃうとどうしてもチャチくなっちゃうのでそこはちょこっと映像で表現してあとは観客の想像にお任せ~にしてほしかったな。そういうのも舞台の醍醐味であると思う。あとしえみのにーちゃんの攻撃?も客席巻き込み型であれはちょっと受け入れがたかった…。
でもマイナス点はそんなところで。

2.5次元舞台は正直斜めに観ていたところがあったんだけど、全体の構成だったり、役者含め「芝居してた!!!」という感想が出たぐらい。
演出・脚本と役者がしっくりきたら違うんだなぁと改めて思って、ちょっと他の2.5次元も食わず嫌いせずに観てみよう、と思った。


■キャストについて
一人ひとり書いていきたいところだけどきりがないので一部だけ。。今回のなんといっても女優がよかったなー!女優がよい舞台好き。


メフィスト・フェレス@鮎川太陽 
いきなり本命から書くけどもうね。完璧だった。アニメ見ながら、「これを太陽が演じるの…?どうやってやるの…?」と思ってたけどめっちゃメッフィーだったヽ(TдT)ノ
なんつーかもうスタイルのよろしいこと…あのかぼちゃパンツ+ストライプタイツ着こなせるのすごくないすか。
お帽子含めると2m越えだったし、被ってなくてもデカい…となったけど実設定のメッフィーは太陽+7cmあるみたいで。現実的に太陽の身長でよかったようです。すごいな。オープニングだったかどっかで、燐たちの後ろで陰になって高笑いするメッフィーがいたんだけどその姿の再現率ったらない。オープニングからほとんど出番なくて、燐が閉じ込められてるところにひょっこり現れるんだけど「私だってね、久々の登場がこんな豚箱だなんてごめんですよ」的な台詞があってあああもうメッフィー!!!!ってなる(語彙力)
あとアレルギーで雪男にくしゃみぶっかけるメッフィーめっかわだったな…そもそもアレルギーもちの悪魔ってなんやねんって感じだけど。あとメッフィーのウィッグどうなってるのかすごく不思議だった。ピョコンと一本立ってるんだけどそのまま帽子被っちゃうし、ぬいでもちゃんと出てきた、気がする。
DVDばかりで実際に太陽を舞台で見るのは、数年前の『サイコメトラーEIJI』以来二度目だったんだけど芝居が上手くなったなぁとしみじみ…どうもこの子に対しては大きくなったねぇ( p_q)という感覚から抜け出せなくて困る。それくらい思い入れもあるし、本人が芝居が好きなんだなぁというのが伝わってくるから、応援していきたい。何より太陽が出るから~と思ってチケットとった舞台だったから、この素敵な作品に引き合わせてくれたことに感謝しないと。ありがとう。何度でも言うけど、この業界に残って、芝居を続けてくれて本当にありがとう。もっと舞台に立ってる太陽が見たくて、次回の舞台『ホイッスル!』のチケット取りました。

というわけでブロマイドとアクリルスタンド買ったよ


藤本獅郎@唐橋充 
本命その2。いやもう想定以上にかっこよかった。ヤバイ一幕はほとんど出番がなくて、一緒に観ていた友人にもよくわかんない、と言われてしまったんだけど。二幕での回想シーン。なんと獅郎さんの殺陣が!!あるではないか!!!めっちゃかっこいい!!もう語るべくはたくさんあるんだけど(好きすぎて)回想の最後のシーン。舞台から下手側客席通路通って去り際に中央通路ぐらいで立ち止まって舞台上の達磨に向かって、完全には振り向かずに(つまり体は客席側、お顔は通路以降センターよりの客席ぐらい)ふっと笑って「仲直りだ」って一言いうんだけどもその時の一連の動作・表情・セリフ回し、すべてがやばかった。かっこよかった。もうギューーーーン!!って何かを持ってかれた。終演後友人もあの瞬間すごかったね!!って言ってくれてすごく嬉しかった~そうなの~お芝居できてカッコイイの~!めっちゃ私が好きそう。わかる。と言われて。私の好みってわかりやすいみたい。あともうこの表情を間近で見れた座席に感謝しなければならない。まじ感謝。
唐橋さんを知ったきっかけは『最遊記歌劇伝』だったけどDVDだけで観たことはないし、前回そうとは知らずに織田信長役をみたけどあれは芝居があってないようなキャラクターだったので、改めて観たのは今回が初めて。もうそもそもお顔から好きなんだけど、台詞回し、表情、立ち振る舞い、すべてが素晴らしい。唐橋さんの台詞回し結構独特だけど癖になる。ラストで燐と雪男が取っ組み合いの喧嘩してるんだけどそれを獅郎さんが見守ってて涙もんでした。。
あと個人的には殺陣をしてる唐橋さんみてまだまだいける!!烏哭のアクションもいけるよ!!と期待しかないので早く最遊記歌劇伝が見たいです。みたいよぉ…。
というわけでまんまと唐橋さんにはまった私は翌日『インフェルノ』のチケットを買うのでした。


奥村燐@北村諒

原作を知れば知るほど、綺麗すぎやしないかと燐をきたむがやることに不安感が大きかったんだけど(ビジュアルをみて余計に)、きたむは見た目に反して粗野な役のほうが似合う。いままでそういう役がなかったわけではないけど改めてそう思った。
結構昔から彼の演技はみてるけど正直そんなに技術がある方ではないし、逆になくても若さと美しさでまだまだ持つ役者だけど、だからこそこれ以上にはならないんじゃないかな?とはちょっと思っていて。でも燐はすごくよかったなー。感情のこめ方も、力強い殺陣も、いろいろなものが伝わってきた。座長として頑張っていたんではないでしょうか!
あとは燐のキャラクターもあるんだけどやんちゃで可愛いったらない。ワンコ。完全にワンコだった。


奥村雪男@宮崎秋人

めっちゃ雪男だったヽ(TдT)ノ(語彙力)藤堂との戦い意外はあまり目立ったシーンが無くて残念だったんだけど見た目や声がめっちゃ雪男だった…何が良いって衣装とスタイルがマッチしててすんげぃ良かった。あの高い襟のロングコート。
前述したけど、二丁の拳銃を扱ったアクションがすごくきれいで惚れ惚れしました。二丁拳銃って下手にやると超ダサくなるので、あんなに美しくできるのか、と衝撃。西田さんの殺陣についてこれてるのも重要。達磨からの手紙を燐シュラから受け取って読み上げるときの声がすごくよかったー!秋人くんって派手ではないんだけど、一つ一つの動きや台詞が綺麗だなあというイメージ。藤堂とのやりとりで精神的に揺さぶられる雪男だったり、それを払拭する雪男の表現に胸を打たれました。あと最後のシーンで燐と雪男が喧嘩するの超可愛いの。超可愛いの。雪男ってずっと気を張ってるように見えるから燐とこうやってじゃれてる(?)シーンを見るととても和むし安心する( p_q)ちなみに観た回では最終的に雪男が燐を担いでました。カーテンコールのときに言ってたけどそのまま袖にハケたそうでw仲良し兄弟めw
秋人くんの芝居をもっと観たくて次回出演作『ESORA』観に行くことを決めました(今回そんなのばっか)


勝呂竜士@山本一慶
一慶くんも再現率が高かった!初見だったので後から一慶くんのことを調べたら、どうやら勝呂は彼がやってきた役からしたら珍しいタイプだった様子…?綺麗系な優男が多かったような印象でした。
でも勝呂すごくよく表現できてたと思う。仲間想いなところとか、無骨だけど育ちの良さとか。難しいのはやっぱり京都弁だったかなー仕方ないね。


杜山しえみ@前田希美
しえみってどう表現したってわざとらしくなるだろーと思ってたけどそんなことなかった!自然にしえみだった!しえみがわざとらしくないのも、この作品のクオリティを上げているな、と思う。しえみのふわふわした癒しの感じ、それでいて芯が通っているところ、燐の弱さも包み込む強さ。んー素晴らしかった!なにより可愛かったー!!欲を言えば前田さん細すぎて、もっとふにっとぷにっとしててほしかったけど可愛かったからすべてよし!!


宝生蝮@田野アサミ
初見の女優さんだったけどすごくよかった!台詞聞きやすいなーと思ってたら声優さんもしているようで。蝮の役どころは物語上重要だったし、明陀宗への執着が伝わってきた。舞台では宝生家が一人で明陀宗紅一点みたいな感じでもあって(ダンサーもいたけどね)男どものなかで頑張ってる感がまたよかった。あと関西弁が一番自然だなぁと思ったら尼崎の出身だったーやっぱりね。大事よね。仕方ないけど。
田野さんはまた他の舞台でも見たいなあ。次回作要チェックです。



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時間も空いてしまって覚えていないところもあるけど…2.5次元のイメージを一転させてくれた記念すべき作品なので荒いけど残しておこうと思います。まだ原作も終わってないし、京都~編はこれからアニメだし、まだまだ続いていく作品。できればまた同じキャストで続いて行ってほしいなぁ。
奥村兄弟は可愛いし、メッフィーも可愛い(?)し、獅郎さんは本っっっ当に素晴らしいし、また観たい。
2016/9/19 記


原作・脚本協力:加藤和恵集英社ジャンプスクエア」連載)
脚本・演出:西田大輔
音楽:澤野弘之(「青の祓魔師」オリジナルサウンドトラック)
挿入歌:「CORE PRIDE」「REVERSI」UVERworld(gr8!records)
舞台監督:清水スミカ
美術:乘峯雅寛
大道具:俳優座劇場
音響:前田規寛(S.S.E.D)
照明:大波多秀起(デイライト)
映像:横山 翼(オーベロン)
特殊効果:インパクト 
衣裳:瓢子ちあき
ヘアメイク:小川万理子(raftel)・三根英世(raftel)
振付:松尾 耕(MKMDC)
演出助手:佐久間祐人・梅澤良太
宣伝美術:岡垣吏紗(Gene & Fred)
宣伝写真:中村理生(Un.inc)
WEB制作:Gene & Fred
制作:Office ENDLESS
主催:舞台「青の祓魔師」プロジェクト(アニプレックス/イープラス/TOKYO MXZeppライブ)